2020.09.04
コラム
先日の24時間テレビでは松島基地から、ブルーインパルスが宮城の空をとんでいましたね。
こういう時だからこそ空を見上げ心を一つにして頑張ろう!と強いメッセージを受け取りました。
本日は、パイロット教官の必需品についてのお話をさせていただきます。
操縦を習い始めて間もない学生と同乗するときに携行すべき必需品はいくつかありますが、そのなかのひとつがビニール袋です。
携行したビニール袋は次の場面で役にたちました。
1 機内での吐しゃ物散乱防止
操縦を習い始めたばかりの学生は、自分の不安定な操縦で自分自身が空酔いをしてしまうことがあります。
空酔いが進みますと、顔面が蒼白になって生唾をごくごく飲み込みます。
これが嘔吐を我慢する限度と思われるタイミングを見計らって、携行してきたビニール袋を「この袋に吐け」と差し出します。
袋の中は、胃に残っていた内容物で満たされますが、袋を封印するまでに発したなんとも言えない匂いが狭い機内に充満します。
学生は内容物を封入した袋を自分の飛行服のポケットに収めてまた操縦を再開します。
学生は左の操縦席で操縦しています。
この時の基本姿勢は、左手で操縦輪を、右手でスロットルレバーを握っていて、両手がふさがった状態になっていますので、吐しゃ物を外に漏らすことなく袋の中に嘔吐するためには両手を自由に使えるようにする必要があります。
そのときは、右席の教官が操縦を替わります。操縦を交替するときに使う慣用句があります。
そう!よくドラマなどで見るシーンです。
自分が操縦をするときは「I HAVE CONTROLアイハブコントロール」相手に操縦を渡すときは「YOU HAVE CONTROLユーハブコントロール」と言いながら操縦を交替し、現在は左右席のどちらのパイロットが操縦しているのかを明確にしています。
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